税理士試験

相続税法を働きながら約半年で合格した勉強法を紹介します

働きながら約半年で相続税法に合格した話

私は、2019年の1月に大原の相続税法 短期合格コースを申し込み、

その年8月の税理士試験に合格しました。

最終科目に選択される割合が多く、競争率も高い相続税法を

働きながら半年で一発合格するのは決して楽ではありませんでした。

しかし、1年間以上勉強された方と違い、私が追い込んで勉強したのは約半年です。

その期間でもし合格できるのであれば、コスパが良いですよね。

難易度の高い試験ですが、ポイントをおさえ、テクニックも上手く利用することで

合格率を上げることは可能だと個人的に思います。

本記事では、働きながら約半年で相続税法を合格するために私が取り組んできたこと

学習面・メンタル面でそれぞれお伝えします。

学習面での取り組み

間違いメモを活用して同じ間違いを二度としないように

短期決戦である短期合格コースを受講していたので

インプットが全て終わったら4月です。

とういうことはアウトプットに専念できる期間が約3か月間しかありません。

ですので、私は携帯のメモ機能を活用し、確認テストや問題集の総合問題で間違えた論点を

このようにメモし、暇さえあれば読み返していました。

税理士試験は皆が正解するところをいかに落とさないかという試験ですので

このメモは試験直前まで有効活用できました。

また、メモをつけていくうちに、自分がどんな論点を苦手としているかも徐々に分かってくるので

どの論点を復習すべきかも一目瞭然でした。

圧倒的に問題集を回転する

これは短期合格や社会人合格に関わらず、税理士試験の合格の一番の極意

かつ一番苦しいことだと思いますが、圧倒的に問題集を回転させることが理解につながります。

もちろん、スピードだけ重視していれば良いというものではありませんが、

ある程度割り切りも必要だと思います。

無駄な論点を何時間もかけて考えるほど無駄なことはありませんよね。

圧倒的に問題集を回転していると、そのうちおさえるべきポイントも分かってきます。

さらに少しずつ理解も深まってきます。

財産評価は特に注力

相続税法の計算は財産評価の出来にかかっているとよく言われます。

実際その通りだと試験を受けて感じました。

私が財産評価の勉強で気をつけていたことは、

預金や上場株式などの易しい論点は端数処理や関連する処理含め完璧にすること

宅地、取引相場のない株式は財産評価でも目玉の論点なのでどんな問題がきても幅広く対応すること

でした。

特に取引相場のない株式は、その論点の出来で本試験の合否が左右するという試験もあるようです。

相続税法の理論の覚えにくさはピカイチ

私は、財務諸表論、消費税法、法人税法、相続税法と4つの理論を学習してきましたが

相続税法の理論は別格でした。。

特に納税猶予。。

納税猶予の理論に何度頭を抱えさせられたかわかりません。

相続税法の理論が覚えにくいといわれる所以は手続き関係が多いということにあると思います。

例えば法人税法では、計算で学習したものがそのまま理論となって出題されることが多いですが

相続税法では、納税猶予含め半分以上が手続き、納付関係の理論となっています。

つまり、計算問題でいう最終値を出した後の話が理論の問題となっていることが多いのです。

ただ、相続税法の理論は題数が比較的少ないので一回覚えてしまえば、

後はひたすら回すだけなので直前期になればなるほど負担は少なくなります。

私の理論暗記方法は、本当にアナログですが、「ひたすら繰り返す」でした。

これに尽きると思います。

答案作成の自分ルールを作る

半年や1年勉強をしていて、最後に本試験で勝つ人は、「いつも通り問題を解くことができる人」です。

つまり、本試験でいつもと違うことをしてしまう人は、それは博打以外のなにものでもありません。

私は既に受験した4科目でそのことはしっかりと頭に叩き込まれていました。

ですので、相続税法でも例外なく答案作成の自分ルールを作りました。

私の答案作成の自分ルールを簡単にご紹介します。

計算→理論の順番で解く

どちらから始めるかは自由だと思いますが、私は絶対に計算から始める派でした。

計算のスタートは、必ず相続人判定(やり方を知っている)ものですが、

理論のスタートは、何がくるか分からない、つまり見たことがない問題が出る可能性もあります。

もし理論から始めて、第一問全く知らない問題がきたら、第二問もしくは計算からしよう、、となりますよね。

これは先ほどお伝えした「いつもと違うことをする」ことになるので必ずどこかで焦り、確認ミス等々が出ます。

一方で計算から始めるメリットは

・必ず相続人判定から始めるため試験に気持ちよく入ることができる

・計算から入ると周りで電卓の音がしても焦らない

・計算は比較的どんどん先に進めるので軌道に乗りやすい

こんなところでしょうか。

私は計算から解くことをオススメしているので参考にしてみてください。

取引相場のない株式は財産評価の一番最後に解く

取引相場のない株式は財産評価の中でも一番ボリュームがあることが多いです。

そのため、解き終わってたら思ったより時間を使いすぎて残りの財産評価に手が付けられない可能性があります。

取引相場のない株式は、基本的には部分点で評価されます。(年によっては最終値まで合わせられる問題もありますが)

一方でその他の財産評価(預金・上場株式等)は基本的には最終値で評価されます。

取引相場のない株式に時間を費やしてその他の簡単な財産評価を捨ててしまったら明らかにコスパが悪いですよね。

残り2分は体裁、数字の間違いの確認

税理士試験は、あくまでも人が採点している試験なので

読めない数値はなるべく避けたいものです。

実際に経験ある方も多いと思いますが、

“0”と書いたつもりが“U”になってたり、“3”“8”か分からなかったり“4”“9”か分からない

といったことありませんか?

実際のところはわかりませんが、疑わしきは×にされると思って解答するのが正しいスタンスだと私は思っています。

学力と関係ないところで試験に落ちることを防ぐために、

私は最後の2分で数字の体裁、漏れがないか等のチェックに時間を費やしていました。

小規模宅地等の減額は最悪後回し

小規模宅地等の減額は、宅地の評価が終わって初めて手が付けられる論点です。

それゆえに、宅地が間違っていたら小規模宅地等の減額が合うことはありません。

預金など簡単にとれる1点と比べたら明らかにコスパが悪いですよね。

なので私は後回しです。

最後の1か月間で理論を7回転

試験1か月前までに理論の暗記が一通り終わることが前提ですが

最後の1か月間で理論暗記を7回転しました。

7日で1回転→6日で1回転→・・・2日で1回転という具合で本試験に照準を合わせた理論暗記スタイルをとりました。

これにより本試験当日、理論暗記の量・質が最高の状態で試験に臨むことができました。

メンタル面での取り組み

講義では必ず一番前の席に座る

これを実践している人は少ないのではないでしょうか。

私は、

「自分より後ろに座っている人は全員分母」

だと思って講義を受けていました。

講義で一番前に座るとこのような効果がありました。

・サボれない

・先生に覚えてもらえるので質問しやすくなる

・黒板が見えないということにならない

小さいことですがこういったことの積み重ねが合格につながりますよね。

仕事以外の生活の全てを勉強の時間に充てる

短期合格かつ社会人だったので仕事と寝る時間以外は勉強に充てていました。

お風呂、トイレの時間は理論を唱えながら。

食事はWeb講義を耳にはさみながら。

通勤時間ももちろん理論暗記時間に充てていました。

私のように働きながら短期で合格できるような人も実際いますので

「勉強時間がないというのは言い訳」だと思います。

勉強時間を確保する方法

社会人で勉強時間の確保が難しかったので

私は自分でこのようなルールを設けました。

通勤時間と朝の出勤前あわせて1時間勉強、昼休憩の時間は1時間勉強

これだけでも働きながら2時間の勉強時間は確保できます。

もちろん、訪問がある時や、繁忙期には例外もありましたが基本的にはこのスタンスを継続し続けていました。

分からないところを分からないままため込まない

人間は不思議なもので、分からないことを分からないまま放置していたら

いつのまにか、分からないということすら忘れてしまいます。

そして試験当日にその論点がポンと出されて後悔します。

そういうことが嫌だったので私は分からないことがあればすぐに先生に質問をしていました。

経験者は強いという固定観念を捨てる

初学者の方が陥りがちなマインドが、

経験者には勝てない・・・

といったマインドです。

これって戦う前から負けていますよね。

経験者の中でもたまたま落ちてしまっただけで圧倒的に合格に近い方もいることは確かです。

ただ、経験者というのは一度試験に落ちている方です。

学習時間では到底かないませんが、一度落ちているという方は必ずどこかに弱みがあるということです。

なので恐れることは全くない、ですよね。

総合問題を解く時間を本試験と同じ時間に

相続税法の本試験はお昼の一番眠たい時間に行われます。

ということは、この眠たい時間に一番頭を働かせるようにするトレーニングをする必要があります。

平日は仕事があるのでお昼間に勉強できる時間は知れていますが、

土日に総合問題を解くときは、私は必ずお昼間の相続税法の試験時間に合わせて解いていました。

まとめ

私が相続税法を働きながら約半年で合格した勉強方法をお伝えしました。

日頃から少しでも合格する可能性が高い選択肢をとることが合格につながると私は実感しています。

少しでも勉強頑張っている方の役に立てば幸いです。

働きながら合格するためのマインドはこちらの記事で詳しくご紹介しておりますので良ければご覧ください↓

それではっ!

ABOUT ME
じぇいりし
25歳某大手税理士法人勤務。会社勤めしながらブログと投資の三刀流でセミリタイアを目指しています。このブログでは、主に試験勉強法とお金の知識について発信:-)