本日は「ケアレスミスに苦しむ人へ」というテーマで書いていきます。
誰もが一度はぶち当たるケアレスミスという壁。
このケアレスミスというのはかなり厄介で、人間の脳の構造上完全に防ぐのは不可能に近いくせに、場合によっては致命傷となり大ダメージを喰らってしまいます。
そんなケアレスミスで苦しむ方へ、私が実践していた対策法を少しばかりご紹介します。
参考になれば嬉しいです。
大前提 ケアレスミスをなくすのは不可能
まず大前提として、ケアレスミスを完全になくすのは不可能です。
人間の脳の構造上そうなっちゃってるらしいのでどうしようもありません。
ただ、工夫や意識をすることでケアレスミスを限りなく少なくすることは可能だと私は思います。
そのために大切なことは、ケアレスミスをしないための「仕組みづくり」や「自分ルール」の確立です。
ケアレスミスを少しでもなくすために私が実践していた方法をこれから少しばかりご紹介します。
資料の読み飛ばし・読み間違い対策
資料の読み飛ばし・読み間違い対策として取り入れていたのは下記のような方法です。
① 目で読むのではなく、目と手で読む
② 文章のところどころに斜線を入れる
③ 斜め読み絶対にNG
④ 変なタイミングで改行している場合には疑いの目を持つ
一つずつ解説していきます。
① 目で読むのではなく、目と手で読む
これはもうすでに実践している人が多いかもしれません。
目で読むだけではなく、手でなぞりながら問題文を読んでいくという方法です。
目だけで読んでいるとどうしても安定感に欠け「気づいたら一行飛ばしで読んでいた・・・」ということになり兼ねません。
手やペンの先で文字を辿りながら読むという方法に慣れておけば資料を読み飛ばしてしまう可能性が少し軽減されます。
② 文章のところどころに斜線を入れる
税理士試験の問題文というのは引っ掛けが多かったり、逆説的な表現を多用してくる傾向にあるので、問題文の読み間違いが他の試験に比べて顕著だと思います。
私は、問題文に書かれている内容を理解するスピードが(恐らく)人より遅かったので、長文になっている箇所や、一行に複数の事項が列挙されている場合には適宜斜線を入れ、内容をなるべく単純にして理解しやすいようにしていました。
文章のところどころに斜線を入れるという行為は、後から見返した際にどこからどこまでをセットとして理解していたかが分かるだけではなく、文章をきちんと読んだという証にもなるので資料の読み飛ばし対策にもなります。
③ 斜め読み絶対にNG
これは個人的には声を大にして言いたいです。
特に問題文の初めにある注意事項。
(あ〜いつもの注意事項ね。分かってる分かってる。)
という感じでさらっと斜め読みしちゃっている人がまだまだ多くいるのではないかなと思います。
予備校の資格試験では正直、それでも得点が取れるかもしれません。
ですがそんなにうまくいかないのが本試験です。
これを私が実際に身をもって体験したのが「第67回税理士試験 消費税法」です。
この試験では、未だかつて本試験では見たことがなかったトラップが問題文の初めの注意事項に記載されていました。
という文言です。
この文言は本試験では出たことがなかったので、もちろん予備校の答練でも出たことがありませんでした。
この回の試験では、計算した数値が0になるものをきちんと「0」と書くか、何も書かないかで少なからず合否に影響があったのではないかと予想しています。
普段斜め読みをしておいて本試験だけきちんと読むというのはなかなか難しいので、少し苦しいですが、普段からきちんと問題文を一言一句読む癖をつけておくのが良いと思います。
問題文のトラップについては第67回税理士試験 消費税法の合格答案復元の記事で触れています。
④ 変なタイミングで改行している場合には疑いの目を持つ
これも実際に本試験で起きたことです。
第69回税理士試験 相続税法での出来事です。
詳しい内容は置いといて、「〜に定めるものに該当」するか、「〜に定めるもの以外のものに該当」するかで計算結果が大幅に異なるという一文でした。
なんと驚いたことに、この一文では「〜に定めるもの」というところで次の行に改行され、次の行の初めに「以外のもの」と記載がされていました。
(偶然なのか、当時の試験委員は性格があまりよろしくなかったのかは定かではありませんが・・・)
当時の講師の情報によると、「〜に定めるもの」という文言を見てとっさに判断してしまい計算を間違えた受講生が何人も居たということでした。
対応できる策としてはやはり、先入観を持たない(疑いの目を持つ)・文章を最後まで読むという基本的なことを普段からどれだけ愚直にやれるかではないかなと感じます。
改行の論点は、第69回税理士試験 相続税法の合格答案復元の記事で触れています。
転記ミス対策
転記ミス対策として取り入れていたのは下記のような方法です。
① 転記方法を確立させておく
② メモ書きの位置を工夫する
③ 青のボールペンを使う
一つずつ解説していきます。
① 転記方法を確立させておく
これも既に実践している人は多いのではないかなと思います。
例えば「計算して数値を出し、都度転記する」派の人もいれば、「計算した数値をいくつか出し、まとめて転記する」派の人も居ます。
この方法を自分の中で確立させておくということです。
個人的には都度転記の方がミスを誘いにくくなるのではないかと思いますが、これは人それぞれ好みがあって然るべきだと思います。
また、私は「転記元と転記先をなるべく近くする」という方法も多用していました。
転記する元となる計算結果を記載した用紙(例えば計算用紙)と転記する先の用紙(回答用紙)を物理的に近くすることで、目の移動による数値の転記ミスを極力少なくしていました。
例えば”8,666,966”という数字を転記するとします。
転記元の計算用紙と転記先の回答用紙に距離がある場合、頭の中で「はちろくろくろくきゅうろくろく」と唱えながら転記することになります。
転記先で転記している時には数字は既に視界にはなく、頭の中で唱えていた呪文のような数字の列挙だけが転記の頼りです。
はちろくろくろくきゅうろくろく・・・
一方で転記元と転記先が距離的に近ければ、頭の中で唱えていた呪文だけではなく視覚にも頼ることができます。
絶対にこれで間違えることはない!という画期的な方法ではありませんが、この方法で実際に転記ミスが少なくなったことも事実です。
② メモ書きの位置を工夫する
せっかく計算結果を正しく出せたのに、その数値を転記するのを忘れていた・・・なんていう経験、誰しもあるのではないかなと思います。
悲しきことこの上なしです。
哀れなことこの上なしです。
この場合は恐らく、メモ書きの位置に問題があることが多いです。
逆に言えば、絶対自分が気付くであろう場所にメモ書きを残しておくという対策が考えられます。
私の場合、人間の視界が一般的に左上→右上→左下→右下という原則を利用して、メモ書きはなるべく左上に記載するようにしていました。
また、メモしていることを際立たせるために、メモ書きした数値を丸で囲んで目立つようにしていました。
③ 青のボールペンを使う
私は、基本的には自分の脳みそや視覚を信用していなかったので、なるべく脳みそや視覚に頼らなくて良い方法を心がけていました。
その一つが、黒のボールペンではなく青のボールペンを使うということです。
・黒字の問題文に黒字のメモ書き
・黒字の問題文に青字のメモ書き
どちらがミスを誘発しやすいか、どちらがミスを少なくできるかは一目瞭然だと思います。
私が税理士試験で使用したボールペンのオススメは下記記事で紹介しているので、気分転換がてら読んでみてください。
まとめ
今回は、私が実際に取り入れている「ケアレスミス対策」の一部をご紹介しました。
この記事で少しでも皆様のケアレスミスを削減できることができたら嬉しい限りです。
それではっ!