税理士試験

第69回税理士試験 相続税法 合格答案を復元しました

 

第69回税理士試験 相続税法を合格した際の答案を復元しました。

 

合格ライン等の参考にしてみてください。

 

本試験問題の構成

 

第69回税理士試験の相続税法の問題の構成はこのようになっています。

 


【第一問】理論問題


問一 ベタ書き問題(相続時精算課税について)

⑴ 相続時精算課税について、相続税法上の適用要件及び適用手続きの説明

⑵ 措置法に定められている相続時精算課税の特例措置の列挙及び説明


問二 ベタ書き問題(災害関係)

災害があった場合に適用可能な相続税の課税価格の計算の特例についての説明

 


【第二問】計算問題


〈計算項目〉

生命保険金等(措法70の非課税・宗教法人への贈与)

退職手当金等

生前贈与加算(住宅取得等資金の非課税)

相続時精算課税

相続税額の加算

贈与税額控除(暦年)

配偶者の税額軽減

障害者控除

贈与税額控除(精算)


〈財産評価〉

宅地(がけ地・セットバック・奥行長大・造成中)

取引相場のない株式(大会社)

社債

受益証券

ゴルフ会員権

定期預金

 

 

詳しくは国税庁HP 出題のポイントをご覧ください。

 

 

筆者の答案復元結果を公開

 

初めに私の答案復元方法をご紹介します。

 

私の答案復元方法


試験中の余った時間で、計算の主要な数値を全て書き写し

理論問題については、試験後すぐにどこにどんな理論をどのように書いたか全て思い出して書き写す

 

それでは公開していきます。

 

上記の問題の構成と見比べながら進めていただくことをオススメします。

 


【第一問】理論問題


問一

⑴ 相続時精算課税の適用要件・届出書・適用除外・継続適用・撤回(孫部分を除く)

⑵ 

①概要

・孫の特例(孫でも適用可)

・住宅の特例(贈与者が60歳未満でも適用可)

・特例経営承継受贈者・特例事業受贈者の特例(直系卑属である推定相続人、孫以外でも適用可)

②根拠規定

・相続時精算課税の適用要件(孫部分)

・住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例をベタ書き(特定受贈者の意義含む)

・特例経営承継受贈者・特例事業受贈者についての相続時精算課税の特例の内容部分ベタ書き

最後にまとめて、これらの規程の適用を受けようとする者は~という形で届出書の提出をベタ書き


問二

特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例+申告要件ベタ書き

災害被害者に対する相続税の課税価格の計算の内容を作文
(相続等で取得した財産が災害により被害を受けた場合は被害部分の価額を控除する。)

 


【第二問】


宅地H 78,848,000

家屋I 24,000,000

宅地J 213,269,760

家屋K 15,400,000

宅地L 41,125,946

宅地M 5,020,000

O社社債 10,179,000

P受益証券 75,919,000

Qゴルフ会員権 7,949,000

R定期預金 26,008,288

N社株式 

類似 3,179

純資産 3,946

Ⓑ 1.6

Ⓒ 52

Ⓓ 271

生命保険金等

乙 5,000,000

D 10,000,000

C 15,000,000

退職手当金等

乙 0

措法70の非課税

乙 20,000,000

C 宗教法人への贈与は適用無し

債務 A △2,720,000

葬式費用 乙 △5,500,000

生前贈与加算

E 8,000,000

乙 4,000,000

相続時精算課税財産

C 35,000,000

C 4,000,000

法定相続分

乙 1/2

A,C,D,E,G 1/2×1/5

基礎控除 66,000

2割加算 F・宗教法人A

贈与税額控除

乙 △335,000

E △1,170,000

配偶者の税額軽減 (金額は覚えていないが最終値は×、計算式は〇)

障碍者控除 C △7,000,000

贈与税額控除(精算) C △2,800,000

 

 

自己採点の結果

 

二大予備校での自己採点結果を記載します。

 

予備校ボーダー合格確実点筆者の点数
大原理論 37点

計算 39点

合計 76点
理論 -点

計算 -点

合計 85点
理論 39点

計算 45点

合計 84点
TAC理論 35点

計算 38点

合計 73点
理論 45点

計算 44点

合計 89点
理論 40点

計算 40点

合計 80点

※内訳が公開されていないため合計点のみ記載

 

大原、TACいずれもボーダー以上確実未満となりました。

 

 

第69回税理士試験 相続税法の総評

 

試験のイメージとしては、理論は問2で災害関係(対策している方は少ないイメージでした)が出題されたため、

 

問1の相続時精算課税をどこまで完璧に書けるかで合否が分かれたという感じでした。

 

 

さらに相続税精算課税の設問においても、措置法の4つの特例のうち2つ、3つしか上がらない方がたくさんいたと当時の講師から聞きました。

 

私個人としては、直前期に「相続時精算課税に関連する理論は?」という横のつながりを意識した復習をしていたことが功を奏して、

 

相続税精算課税の本法の適用要件、措置法の4つの柱及び内容はほぼ完ぺきに解答できたという認識です。

 

ちなみに「横のつながりを意識した復習」とは下記ツイートのような勉強方法です。

 

 

問2で出題された災害関係の理論は、模範解答では2つの理論(特定土地等~の理論+災免法の理論)が挙げられていましたが

 

私が通っていた大原では前者はAランク、後者はCランクという取り扱いでした。

 

そしてよくよく話を聞くと、TACでは特定土地等~の理論はCランクにしていたという噂もちらっと聞きました。(定かではありませんが)

 

なので今回は大原の圧勝かなと思っていたのですが蓋をあけてみればそうでもありませんでした。

 

やはり予備校によって決まるのではなく、自分の努力によって決まるということですね。

 

 

少し脱線しましたが次は計算についてです。

 

 

財産評価の肝ともいえる宅地と取引相場のない株式がかなり平易で拍子抜けしたというのが本音でした。

 

特に宅地の評価は、資料を見れば一瞬で分かるがけ地や、丁寧に問題文に記載してくれていたセットバックなどのように

 

基本的な項目がメインで不整形地すら出ませんでした。

 

 

このことからも分かるように、計算はボーダーラインでも40点前後必要といったなかなかの高得点勝負でした。

 

後は措法70の非課税や住宅取得等資金の非課税など話題性の高い論点も出題されていましたが難易度は基礎レベルでした。

 

中でも「試験委員セコいなぁ~」と思った問題が一つあり、

 

それは問題用紙のE11、住宅取得等資金の非課税の金額を判断させる問題文です。

 

 

「この家屋はエネルギーの使用の合理化に著しく資する~に定めるもの以外のという部分です。

 

わざとかどうかは分かりませんが、「以外の」という部分で綺麗に改行されていますよね。

 

これによって「以外の」を読み飛ばしてしまい、非課税限度額を間違えた方は何人もいると当時の講師からも聞きました。

 

 

本試験の緊張感の中で、「以外」というたった二文字をきちんと見過ごさないように日頃からの訓練の大切さを改めて実感したところです。

 

 

個人的に一番の痛恨ミスは、宗教法人Aを相続人に含めてしまい、相続税の計算、そして2割加算までしてしまっていたことです。

 

これだけは弁解の余地がありません。。足切りでも仕方ない論点かなと危惧していました。

 

しかし、予備校の解答速報に宗教法人A関連の配点がなかったからなのか、私が宗教法人A以外の論点を満遍なく解答できたからなのか

 

詳細は分かりませんが足切りはなかったようです。

 

正直この論点で足切りになっていたら悔やむに悔やまれない1年間になっていたと思います。

 

また、最近多発しているのですが、今年も正誤表が配られました。

 

総合的には、計算は30点後半(なるべく40近く)を死守し、理論の出来で合否が分かれたというイメージです。

 

まとめ

相続税法の勉強はもちろん大切ですが、

 

問題文を読み飛ばさないといった基礎的なところがいかに大切かを痛感した試験でした。

 

そしてやはり合格点に届くためには基礎的な論点を完璧にすることが何より大切だと感じました。

 

税理士試験の勉強法についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

 

 

それではっ!

ABOUT ME
じぇいりし
25歳某大手税理士法人勤務。会社勤めしながらブログと投資の三刀流でセミリタイアを目指しています。このブログでは、主に試験勉強法とお金の知識について発信:-)