第67回税理士試験の消費税法を合格した際の
答案を復元しました。
ほとんどの数値は、試験中の余った時間で書き写しているので
再現性は高いと思います。
合格のライン等の参考にしてみてください。
本試験問題の構成
第67回税理士試験の消費税法の問題の構成はこのようになっています。
【第一問】理論問題
問一 ベタ書き理論
⑴ 特定資産の譲渡等に該当する役務の提供の意義について
⑵ 国内において特定資産の譲渡等が行われた場合における、特定資産の譲渡等を行った事業者、受けた事業者それぞれの法令の適用関係(消費税が課される場合には納税義務者、納税義務の成立の時期についても記載)
⑶ ⑵において特定資産の譲渡等を受けた事業者が課税事業者かつ国外事業者である場合に消費税が課されるもの(理由も含めて)
問二 事例○×問題(正誤及びその理由を述べる問題)
⑴ 国内以外で行われる商品の販売は課税資産の譲渡等に該当しない。
⑵ 保税地域で輸出許可を受けた貨物を他の事業者で有償で譲渡した場合、一定の書類の保存があれば消費税は免除される。
⑶ 個別対応方式は、課のみを抽出して、それ以外を全て共通として計算することができる。
⑷ 課税事業者は原則確定申告書を提出する必要があるが、売上に係る消費税、仕入に係る消費税が共に100万円であれば納付税額が生じないため、確定申告書の提出義務はない。
【第二問】計算問題
問一 簡易課税
問二 原則課税
詳しくは、国税庁HP 出題のポイントをご覧ください。
筆者の答案復元結果を公開
私が実際に復元した答案を公開する前に、私の答案復元方法をご紹介しておきます。
試験中の余った時間で、計算の主要な数値を全て書き写し
理論問題については、試験後すぐに、どこにどんな理論をどのように書いたか全て思い出して書き写す
この方法で復元しているので、非常に再現性は高い方だと思います。
それでは公開していきます。
上記の問題の構成と見比べてながら進めていただくことをオススメします。
【第一問】理論問題
問一
⑴ 特定資産の譲渡等・事業者向け電気通信利用役務の提供・電気通信利用役務の提供・特定役務の提供(役務の範囲含む)を全てベタ書き。
⑵ 特定資産の譲渡等を行った事業者、受けた事業者それぞれで、下記を作文で記載。
行った事業者・・・①内外判定②課税の対象としない旨③納税義務がない旨④課税標準額・課税売上割合に計上されない旨
受けた事業者・・・①内外判定②課税の対象となる旨③納税義務がある旨④課税標準額・課税売上割合に計上される旨⑤仕入税額控除の対象となる旨(納税義務の成立の時期は書けず)
⑶ 国外事業者が国内支店で国外事業者から事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合は、課税取引となる旨、その他判定方法を記載。
問二
⑴ × 理由:国外における資産の譲渡等は非課税取引に該当しない よって課税資産の譲渡等に該当する。
⑵ 〇 理由;外国貨物の譲渡等に該当するため、書類の保存があれば輸出免税取引に該当する。
⑶ × 理由:個別対応方式の適用要件・計算方法をベタ書き よってそのような方法で計算することはできない。
⑷ × 理由:国内における課税資産の譲渡等・特定課税仕入れ・差引税額がない課税期間は確定申告書提出不要だが、本問では課税資産の譲渡等をおこなっているため、提出義務がある。
【第二問】計算問題
問一
基準期間の課税売上高 49,575,907
簡易課税制度 適用有
課税標準額 56,356,000
控除対象仕入税額 1,952,712
売上げ返還等 54,012
貸倒れ 9,135
中間納付税額 266,800
納付税額 1,267,700
還付税額 0
問二
基準期間の課税売上高 49,429,813
簡易課税無 理由:高額特定資産
課税標準額 95,129,000
控除対象仕入税額 (時間の関係で記載できず、恐らく間違えています)
売上げ返還等 189,583
貸倒れ 0
中間納付税額 648,900
納付税額 273,500
自己採点の結果
大原とTACの二大予備校で自己採点をしていますので結果を記載します。
予備校 | ボーダー | 合格確実点 | 筆者の点数 |
大原 | 理論 38点 計算 38点 合計 76点 | 理論 44点 計算 43点 合計 87点 | 理論 40点 計算 41点 合計 81点 |
TAC | 理論 36点 計算 36点 合計 72点 | 理論 42点 計算 42点 合計 84点 | 理論 40点 計算 45点 合計 85点 |
大原ではボーダー超え確実未満、TACでは確実超えという結果となりました。
第67回税理士試験 消費税法の総評
ここ数年で比べるとかなり難易度が下がった年ではありましたが、
ところどころに地雷が置かれているようなイメージでした。特に計算。
理論は、ベタ書きを完璧に書けて、○×問題を全て正答し、ある程度の理由を答えることができれば高得点を狙うことが可能でした。
一方計算も、問題自体は難易度が低かったのですが、
最初の注意事項に、「計算した数値が0となる場合は0と記入し空白と区別すること」
とあるように、普段から注意事項を飛ばしているような方にはかなり危険なトラップが仕掛けられていました。
解答の結果、問二の貸倒れは0となるので、ここを空白とするか0と書くかで少なからず合否に影響はあったものと思われます。
この試験では、試験直前に正誤表も配られたので、改めて本試験の怖さを痛感したというのが本音です。
また、当時は足切りになるのではないかと言われていた、問二の簡易課税制度の適用無しの理由ですが、
実際に私が高額特定資産を理由(正解は新設法人の調整対象固定資産)として合格しているので恐らく正答率がそこまで高くなかったのでしょう。
にしても、取得価格をあえて1千万円以上にして出題してくるのは悪意を感じましたね・・・
私個人としては、理論の○×問題の答えを全てバッチリ合わせたのと、計算の問一(簡易課税)を納付税額までバッチリ合わせたのが
大きな勝因ではないかなと思っています。
※○×問題を一つ間違えた友人も合格したという報告を受けています。
まとめ
消費税法を学習する上で、必ず過去問を解く機会があると思います。
第67回の税理士試験問題も例外なく解答する機会があると思うので、
私の答案復元の結果を活用していただければ非常に嬉しいです。
それではっ!