簿記論の一発合格の為の勉強方法について、体験談をふまえお伝えします。 (私は平成28年に財務諸表論とともに合格したので当時の勉強法です。)
↓今回の範囲
1.簿記論の合格率の推移 |
2.簿記論の攻略法 |
3.簿・財同時受験は効率が良いか |
4.まとめ |
簿記論の合格率の推移
まず初めに、簿記論の合格率の推移を確認します。
20%には満たないものの、毎年12、13%~19%近くを推移しています。 財務諸表論と比べると、やや合格率は低いですね。
簿記論の攻略法
さてここからが本題です。 筆者が簿記論を約1年間で合格するに至った勉強法をお伝えします。
簿記論の勉強前に日商簿記検定2級などを取得
簿記論、財務諸表論等の会計科目はもちろん、法人税法や所得税法などの税法に進んでも、会計の知識が土台となる税理士試験の上で、よりよりスタートダッシュを図るのであれば、間違いなく簿記論を始める前に日商簿記検定2級を受験することをお勧めします。
簿記論は、日商簿記検定2級の商業簿記部分に当たりますが、日商2級合格レベルまで達している方は、簿記論の基礎的知識、いわゆる土台については、固まっていると考えられます。
税理士試験のような難関資格も、やっぱり基礎がなにより大事です。
実際私も試験前の1週間は難易度の高い問題は全て棚にしまい、基礎的な勉強に集中したという経験があります。(←これが功を奏したということは言うまでもありません。)
また、日商簿記検定の勉強をしている途中で、やはり簿記は自分に合わない等の理由で辞める場合も、簿記論で高い受講料を払っているときよりも撤退しやすいといえます。
ちなみに筆者は高校時代に偶然日商簿記2級に合格し、簿記が大好きな状態で税理士試験のスタートを切っております☺(3回ほど落ちましたが、、)
受講はやっぱり大手一択
巷では有名な孫氏の兵法に
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
という言葉があります。
私もかなり好きな言葉なのですが、 要は、「相手を知り、自分を知ればどんな戦いにも負ける心配はないだろう」ということです。
もちろんこれは税理士試験の勉強にもあてはめることができ、大手の予備校では、「相手を知る」、ということと「自分を知る」ということが同時にできてしまいます。
「相手を知る」・・・大手の予備校の受験生(大原とTACだけで合格圏内にある受験生の大半を占めます)がどの程度のレベルにあり、その中でも成績優秀者はどのように勉強しているのだろうかが分かる
「自分を知る」・・・その予備校の中で自分が現在どの位置にいるか、自分の苦手な分野はどこかが分かる
会計科目は特に分母が多い(約1万人くらい)のが特徴ですが、私の体感でお伝えすると、
10,000人のうち資格学校に通うor独学である程度勉強している人・・・6,000人
その6,000人のうち、勉強に専念し、成績上位者・・・500人
残りの5,500人(6,000-500)で約1,200~1,300の合格枠をとりあうイメージです。
このようなことも、大手の資格学校に通っていれば、莫大なデータを持っている先生方から教えてもらうことができます。
生活スタイルを受験中心へシフトする
これは私の体験談になってしまうのですが、 簿記論の勉強を始めるまでは大学生の飲み仲間とひたすら飲んでいました。
、、、が、これではまずいと思い税理士試験の勉強を始めてからは、自分の中で一定のラインを設けました。
・友達からの飲みの誘い→断る
・後輩からの飲みの誘い→断る
・先輩(当時はバイト先の)からの飲みの誘い→絶対行く
決して先輩が怖かったというわけではありません、、
このようにすることで、飲み会を極限に少なくしつつも、月に1回程度は先輩からのお誘いで気分転換に気持ちよくいけるという構図ができました。
また、通勤時間も基本的には勉強していましたが、やはり朝早かったり、夜遅かったりすると仕事疲れで眠たくなる時がありますよね、、
そんな時は、私はWebフォロー(大手だとこういうものもあります。)をひたすら聞き流していました。
正直生活スタイルを受験に合わせるのは簡単ではありません。むしろかなり心が折れそうになります。ですが、私は、
「この受験生活が来年も続く」
ことの方がよっぽど嫌だったのでひたすら自分の尻を叩き続けました。
問題集は次の授業までに最低3回転
とある簿記論の講師から口酸っぱくこんなことを言われていました。
「次の授業までに今日の範囲を絶対3回転してきてね、してこない人は落ちますからね。」と。
「どんなスパルタやねん!」と税理士試験に足を踏み入れたばかりの自分は思っていましたが今になってはこの習慣を税法でも繰り返してきたことが税理士試験をストレートで合格することができた要因の一つではないかなとつくづく思います。
個人的には、3回転をひたすら繰り返すことで次のメリットが享受できたかなと思っています。
・授業の内容から遅れない(というか遅れられない)
・理解力がついている(1回転=挑戦、2回転=確認、3回転=理解)
・受験中心の生活スタイルへシフトできる(←ここがいちばん重要ですね。)
問題の取捨選択をスピーディに
簿記論において、取捨選択は、答案用紙に名前を書き忘れないことと同じくらい重要です。
簿記論では、見たこともないような問題や、一見解けそうだが解けない問題、いわゆる「罠問題」が本試験では多く出題されております。
会計の知識を問う試験で解けない問題を出題するのはいかがかという疑問はさておき、(税理士試験はそのような闇を抱えた試験でもあります。)
この「罠問題」をいかにして解かない、手を出さないかが非常にに重要なカギとなります。
例えば、「後入先出法」のような、試験当時は廃止されている制度からの出題もあります。
手を付けたもん負け、というのは明らかですよね・・・?
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