2025年問題がまことしやかにささやかれる昨今、
高齢者の増加と切っても切り離せないのが「相続税」です。
※2025年問題・・・団塊の世代が75歳に達し、社会保障費が一気に増える可能性があるという問題
本記事では、相続税について最低限知っておくと便利な点にスポットを当ててお伝えします。
・相続税とはどんな税金?
・相続税って誰が払うの?
・相続税を払わないといけない人はお金持ちが中心
・相続税の税率はこんなに高い!
・簡単な節税対策を紹介
それではいきましょう!
相続税とはどんな税金?
相続税という言葉を聞いたことがある方はたくさんいると思いますが、
何に対して税金を払うのかと言われると答えに困る方が多いのではないでしょうか。
相続税を一言であらわすと、
「死亡した親や配偶者などから受け継いだ財産(お金やマイホームなど)に対してかかってくる税金」です。
このくらいのイメージでおさえておけば問題ありません。
相続税って誰が払うの?
相続税を払う必要があるのは、基本的には、「亡くなった人から財産をもらった人」です。
死亡した人から財産をもらうってできないんじゃないの・・・と思いますよね。
もちろん直接もらうことはできません。
「相続」や「遺言」によって財産をもらうこととなります。
相続税を払わないといけない人はお金持ちが中心
親が亡くなったら相続税を払わないといけないんじゃないか・・・
このように思っている人が多いですが、
実は日本人のほとんどは相続税がかかりません。
国税庁が公表しているこちらのデータをご覧ください↓
平成30年中に亡くなられた方(被相続人数)は50,638人(平成29年50,399人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は3,388人(平成29年3,269人)で、課税割合は6.7%(平成29年6.5%)となっており、平成29年より0.2ポイント増加しました。
出典:国税庁HP
いかがでしょうか。
平成30年に亡くなった方50,638人のうち、相続税の対象となった方は3,388人
つまり、相続税がかかるのは、約7%の人だけということになります。
相続税の対象となる人が少ないのにはある理由があります。
それは、相続税を計算する上で、「基礎控除」というものを採用していることです。
基礎控除を簡単に言うと
「受け継いだ財産の金額が、ある一定の金額以下であれば、そもそも税金はかけませんよ。」
というものです。
この、「ある一定の金額」というのが、まあまあ高い金額に設定されているため、
日本人のほとんどの人は相続税がかからず、
相続税を払うことになるのは、富裕層の人が中心になるという訳ですね。
「ある一定の金額」の具体的な金額はこのようにして計算されます。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人という表現は少し難しいので
ざっくりこんなおさえかたでOKです↓
① 3000万円
② 財産をもらった人の数×600万円
③ ①と②を合計する
実際に、下記のような一般的なサラリーマン家庭で例を挙げてみます。
✔夫(亡くなった人)
✔妻
✔子
この場合の基礎控除の計算は以下のようになります。
3,000万円+600万円×2人=4,200万円
つまり、夫が4,200万円を超える現金や土地を持っていないと、
そもそも相続税がかからないということになります。
日本国民のほとんどが相続税を払わなくてよい理由にも納得がいきますね。
相続税の税率はこんなに高い!
では、もし相続税を払うことになったとしたら、
いったいどれくらい払うことになるのか。
詳細な計算を覚えてもあまり意味がない(それは税理士の仕事)なので
簡単にまとめますね。
相続税の税率はこのようになっています↓
出典:国税庁HP
1億円分の財産を受け継いだら、約30%の税金がかかるんだな~
くらいのざっくりの感覚で問題ありません。
それにしても、6億円超の財産をもらったら、55%の税率で計算されることになるので
約半分が税金として消えます・・・
親が作り上げてきた財産が税金で消えるって、なんだかむなしいですね。。
簡単な節税対策を紹介
ここまで相続税の概要をざっくりと説明してきました。
ここからは簡単な節税方法をいくつかご紹介します。
こういうことをすれば節税になるんだな~と
あくまで参考程度に見ていただければ幸いです。
現金を土地に変える
1億円の現金を持っていると、
相続税を計算する上では、1億円のままですが、
その1億円を使って土地を買うと途端に約80%で計算してくれることとなります。
つまり、同じ1億円でも、
現金で持っていれば1億円の財産
土地で持っていれば8,000万円の財産
相続税は、所得税と同じように累進課税制度を採用しているため、もらった財産が高ければ高いほど税金も高くなります。
なのでこのように財産の種類を変えるだけでも十分な節税対策となります。
※なぜ土地なら80%になるのか・・・相続税の計算では、土地の評価に「路線価」というものを用い、この路線価は「公示価格」という国が決めた価格の約80%となっているためです。
生前に贈与する
相続税は亡くなった人からの相続や遺言で財産をもらうことに対して税金が課されます。
それなら、生きているうちに財産をあげれば良いのです。
※生きているうちに財産を上げると「贈与税」という別の税金が関係してきますので注意は必要です。
1年間で110万円までであれば、財産をあげても贈与税がかからないので
贈与をうまく利用することも節税の一つとなります。
まとめ
相続税の概要をざっくりとおさえたい方向けに、
相続税とはいったいどのような仕組みなのか、という点をお伝えしました。
相続税はこれからどんどん対象となる人が増えることが想定されるので
最低限、相続税ってどんな人・どんな時にかかるのか、くらいは覚えてて損はありません。
それではっ!