税理士になるために税法の修士論文でいざ2科目免除、、!
そんな方が必ず行きづまるのが、引用です。
ある程度自由が認められている大学の卒業論文とは違い、
修士論文は細かくルールが決められています。
他人の意見を引用しただけの論文はもちろん、
引用の方法も正しくしておかないと修士論文として認められなくなります。
本記事では、税法修士論文を執筆するにあたり、大切なポイントをまとめました。
なお、具体的な引用の方法は、「法律文献等の出典の表示方法」を参考にしています。
実際に私が通っていた大学院でも配布されたものなので、信頼性は十分にあるかと思います。
修士論文における引用の重要性
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修士論文は、中身(論理的な構成になっているか、結論があるか)だけではなく
文章の体裁も厳しくチェックされます。
引用した文章の出典を明示していなかったり、
他人の文章をあたかも自分の言葉のように記載したり、
こういったものは修士論文として認められることはありません。
著作権法第48条でもこのように、引用する際は出典の明示を求めています。
第四十八条
出典:著作権法データベース
次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。(以下略)
つまり、
「誰かの意見を参考にしたのなら、きちんと参考にした文献を明示しましょうね。」
ということです。
あなたの文献を参考にしたおかげで自分の論文の執筆がはかどるのだから
そのお礼として自分の論文でお名前を広告してあげるイメージです。
修士論文の審査は年々厳しくなっている
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噂で聞いたことがあるかもしれませんが、
税法修士論文の審査は年々厳しくなっています。
具体的な審査基準などは明らかではありませんが、
修士論文としての最低限の体裁を満たしていないことが理由ではじかれたものも
少なからずあるのではないかと私は感じています。
なぜなら、きちんとした文章を書く機会というのは
恐らく修士論文が初めて、という方が多いからです。
繰り返しになりますが、大学の卒業論文は、
修士論文と比較したら「お遊びレベル」です。
ちゃんと指導してくれる教授ではなかったら
きちんとした引用の方法も教えてくれない可能性もあるので注意が必要です。
引用のポイント
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ここからは、実際に私が執筆した論文と「法律文献等の出典の表示方法」を
重ね合わせて、具体的な引用のポイントをお伝えします。
雑誌の引用
雑誌の引用についてです。
まずはこちらをご覧ください。
![](https://liveawiselife.com/wp-content/uploads/2020/04/雑誌1.jpg)
![](https://liveawiselife.com/wp-content/uploads/2020/04/雑誌2.jpg)
雑誌の引用はこのように引用します。
執筆者名「文献名」雑誌名 〇巻 〇号(発行年)〇頁
「」を『』としてもOKです。(私はそうしていました。)
注意点は、「頁」を「ページ」と記載しないことです。
ページと記載してしまったら一気にカジュアルな感じになってしまいますよね。
税法修士論文の執筆にあたっては、税務弘報や月刊税理などの雑誌を参考にすることがよくあります。
私の場合は、月刊国際税務をよく参考にしていました。
単行本の引用
単行本の引用についてです。
こちらをご覧ください。
![](https://liveawiselife.com/wp-content/uploads/2020/04/本1.jpg)
![](https://liveawiselife.com/wp-content/uploads/2020/04/本2.jpg)
単行本はこのように引用します。
執筆者名『書名』(出版社、第〇版、発行年)〇頁
単行本も自分のテーマにあったものを必ず参考にすることになるので
最低限覚えておきたい引用方法です。
判例の引用
最後に、判例の引用方法です。
こちらをご覧ください。
![](https://liveawiselife.com/wp-content/uploads/2020/04/判例1.jpg)
![](https://liveawiselife.com/wp-content/uploads/2020/04/判例2.jpg)
○○裁 日付 税資〇巻〇号、〇頁
といった形で引用します。
○○裁の部分は、地裁、高裁、最高裁といった文言が入ります。
また、税資は税務訴訟資料の略ですが、
民事裁判資料を参考にした場合は、
「民資」と記載したりもします。
詳しくは「法律文献等の出典の表示方法」のP24以降を参考にしてみてください。
孫引きはかなり嫌われる
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孫引きとは、「他人が引用したものを、さらに引用すること」です。
修士論文の世界では、孫引きはかなり嫌われます。
税法修士論文でも例外ではありません。
では、どうすれば良いか?
解決方法は簡単です。
原文(一番元になる文)にあたれば良いのです。
原文が海外文献だった場合、少し大変ですが、
孫引きで審査が通らなくなるよりはよっぽどましですよね。
特に修士論文では、いくつも引用をするので
知らず知らずのうちに孫引きをしてしまうことがあるので注意してください。
まとめ
税法修士論文の引用で大切なポイントを再度まとめておきます。
・引用には決められた方法がある
・迷ったら「法律文献等の出典の表示方法」を参考にする
・孫引きは絶対に禁止
きちんと体裁を整えた修士論文を執筆して
よい大学院生活を!
それではっ!
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